ABOUT

私たちの歩み
大学では経営学を学び、卒業後は電機メーカーでセールスの仕事に従事しました。
その経験を通じて、モノづくりの世界やお客様とのつながりに興味を深める中で、日本古来の伝統的木造建築や、職人たちが生み出す美しい技術に心を奪われました。
特に寺社仏閣の建築物や、北欧モダンの名作家具、ジョージ・ナカシマやイサム・ノグチといった巨匠たちの作品に感銘を受けたことが、家具職人を志すきっかけとなりました。
職人としての下積み期間を経て、2012年、生まれ育った名古屋「Cassette」を設立。地元名古屋から、職人の技術と美意識を活かした家具を通じて、暮らしに寄り添う価値をお届けしています。

私たちのデザイン哲学
日本の家具づくりの歴史はまだ浅いですが、寺社・仏閣の建築や指物(さしもの)に見られる独特の木組みの技術や美意識は、私たちの家具づくりの土台となっています。その緻密で計算された木組みの技法は、私たちのデザインにとって貴重なインスピレーション源でもあります。
ただ、伝統をそのまま引用するのではなく、自分なりの遊び心を加え、自分らしいスタイルで表現することを大切にしています。シンプルでありながらも全体として美しいと感じられるもの。そこに伝統に基づく手仕事の跡や、作り手の遊び心が見える作品を目指しています。
私たちは、伝統を卓越することはできないと考えています。しかし、伝統をリスペクトしながらも、自分たちらしい自由な発想で創作を行うことを使命としています。家具や建築にとどまらず、音楽、ファッション、アートといった多様なカルチャーからも刺激を受け、自分自身のパーソナルな感性をすべて作品に反映したいと考えています。

愛知という土地がもたらす影響
私たちのスタジオは、日本の中心に位置する愛知に構えています。この地は、日本屈指の製造業の街として知られ、エネルギーに満ちた場所です。世界的な大企業から小さな町工場まで、多くの優れたものづくりの技術を持つ企業が集積しており、その環境が私たちのデザインに大きな影響を与えています。
愛知では、陶器、染物、和紙といった工芸の伝統が受け継がれ、実直なものづくりの精神が根付いています。それと同時に、どこか力の抜けた自由な雰囲気が漂い、愛知ならではのユニークな文化が感じられる街でもあります。この独特の空気感が、私たちの創作活動にも刺激を与え続けています。
私たち自身も、この地のエネルギーとユニークさを取り込みながら、異業種の職人たちと協力し、伝統を大切にしつつ新しい価値を生み出すプロジェクトに取り組んでいます。愛知という土地に根ざしながら、ユニークな存在であり続けたいと考えています。